2016-11-04
知られざるタイルをめでる会 BMC『喫茶とインテリア WEST』刊行記念トークショー
BMC(ビルマニアカフェ)の新刊『喫茶とインテリア WEST』(大福書林)の刊行を記念して、夜長堂・井上タツ子さんと、タイル研究者の中村裕太さんのスライドトークを行います。
本書は、高度経済成長期にうまれた純喫茶をメインに、開店時からのインテリアを美しく残してきた関西の洋食店と純喫茶を、内装という視点でとりあげる写真集です。『いいビルの写真集 WEST』、『いい階段の写真集』と同じチーム(取材&文・BMC/写真・西岡潔/デザイン・高い山/編集・瀧亮子)で制作しています。
『喫茶とインテリア WEST』のページ見本をパラパラと眺めた中村さん、「僕にはこれはタイルの本にしか見えない!」。そう、お二人の共通点は、無類のタイル好きということ。
夜長堂は、骨董商の仕事のかたわら素敵なタイルを見つけたり、日常みんなが見逃しているビルや繁華街で「おおっ」というタイルを発見したりします。その嗅覚と独特なセンスで、中村さんやみなさんをあっと言わせてくれるはず。今回もとっておきタイルの写真を持ってきてくれます。
いっぽう、現代美術家で、京都市内に点在するタイル張りのお地蔵さんの祠の研究調査もされている中村裕太さん。「タイルホコラ」と名付けた祠の多くは、それぞれの町内の左官屋さんが信仰心から作り上げたものです。中村さんは、海岸などに打ちよせられたタイルや陶磁器などを採集して作品制作をしたり、自身でタイルを制作し、建築物に施工したりもしています。
中村さんの集めた知られざるタイルには、アナクロでへそまがりで、しかしながらそれに携わった人への深い尊敬と、夜長堂とも共通する美意識を感じるのです。
(大福書林・瀧亮子)
http://www.seikosha-books.com/event/1546